ウキの要らないウキ釣りってなんだよ! ヽ(`Д´#)ノ
当然、今回はココからですよね(笑)
釣りのジャンルで「ミャク釣り」という釣り方があります。本来は管理釣り場で使うというよりは渓流で使われる釣り方で、 川の流れ込みや水深を見極めながらラインの長さを調整できることが特徴です。また、由来を調べてみると「脈拍をとる」というところから来ているようで、釣り方は糸に伝わるビンビンというアタリを直接手で感じて合わせるという仕掛けです。そういう意味では、このネーミングはしっくり来るものがあります。
ミャク釣りはロッドから順に天上糸、道糸(ライン)、マーカー、オモリ、ハリスどめ、ハリス、針という順番で仕掛けが構成されており、道糸(ライン)についたマーカーの動きと手に伝わる感触でアタリを取っていきます。
実は父も昔はこの(ノーマル)ミャク釣りを主としていました(私がまだウキ釣りでイクラを白く染めていた頃のお話です)。ある日、平日に会社を休んで釣行に出かけた父がまったく釣れず困っていると、近くで良く釣り上げていた老人に声をかけられたそうです。
「そんなにガチャガチャ色々付けてちゃ、釣れるものも釣れないよ」
老人はそういうと父の仕掛けから天上糸とハリス止めをはずした仕掛け、つまり、ロッドから道糸に直結させ、その道糸(ライン)をハリス止め(サルカン)を使わずにハリスに結びつける現在の「ミャク釣り(管釣り仕様)」の原型となる仕掛けを教えてくれたそうです。
しかも、道糸とロッドないしはハリスと道糸の結び方は、当時小学生だった私が1回見ただけで「なるほど」と納得。結び方も覚えてしまうような、簡単かつ合理的な仕掛けとなっていました(チチワ結びの変型? 追って解説します)。
老人曰く「昔はこんなにギラギラ目立つ金具なんて無かった」そうで。
一見便利そうなものが不便に作用していたのかもしれません。
それから我々は、教わった仕掛けをを更に進化させるために試行錯誤を重ね、おおむね最適な竿の長さやラインの太さなどに行き着き、現在の仕掛けに至ったという事です。
さて、当時小学校低学年だった私は背伸びをしたい年頃でした。子供らしく父の作った仕掛けでウキ釣りを楽しんでおけばいいものを「ウキってなんだか初心者っぽい」というのもあり
「そっちがいい!! ヽ(`Д´#)ノ」とミャク釣りに手を出してしまったのです。
そしたら、これが釣れないんだ!!(笑)
ああ、釣れない。・゜・(/Д`)・゜・。
当時「ミャク釣り(管釣り仕様)」の仕様は未完成でしたし「ウキが沈めばOK」としか思っていなかった僕は、アタリがまったく解らんかったのです(笑)
父は釣果を伸ばしていましたが、僕は釣れない。さあ解んないぞと困っていたときに、たまたまラインについていたマーカーが緩んで、ラインに絡まったまま水面に落ちたのです。
▼これがマーカー
「これやぁーーー! ヽ(;∇;)ノ」
と、当時の僕が叫んだかどうかまでは覚えていませんが(笑)、落ちたリンゴを見たニュートンのごとく(?)マーカーの位置を目安にする事でウキの代わり務めてもらうという発想が生まれた事は事実です。当時、マーカーに対して「自分のラインを見失わないように付いているもの」というイメージしか無かったのですが、この時から「ウキの変わりに深さを示してくれるもの」となり、次第に「タナを探るための目印」というイメージに変遷を遂げました。
つまり、マーカーを水面につけたり、ギリギリの位置をキープさせたり、ちょっと沈めた位置で自分の腕で固定させることによって「なんちゃってウキ」としての機能を果たす事が出来るという事ですね。
なので、結論を出すのは結構悩んだのですが、僕はあえて今回皆様に「ミャク釣り(管釣り仕様)」の仕掛けをオススメしようかなと思います。
(実は、本当はウキも触れて欲しいです。やっぱりなんだかんだで解りやすい。魚が釣れる感覚が1回解るだけで全然世界が変わります。ベストは大人ならばウキ釣りで1~2匹上げてもらった直後にミャクに仕掛けを変えてを釣るとスッと掴めるようです。しかし、ウキの位置を 「このくらいで」とは言えないことも事実です。釣り場はおろかポイントが違うだけで基本の位置もまったく変わってしまうので……。で、初心者しかいない場合というものを想定しての決断としました)。
※ただし、竿の高さを一定に維持できない(正しくは、釣れるまで位置を固定することを我慢できない)小学生以下のお子様にはウキ釣りを強くオススメします(笑)
ちなみに、僕が初心者さんに教えた時は、こんなにイチイチ口頭で説明していませんので(していたらただのウザイ奴で す)、最初に黙ってウキ釣りの仕掛けを渡して釣ってもらいました。が、午後には皆さんミャク釣りに仕掛けを変えていました(みなさん自分から「ミャクがいい」と希望されていました)。水深を自分でコントロールできる事と、ウキって意外に重くて邪魔だということ。ウキが無くてもアタリがわかりやすかった事と、最後に(これは非常に重要なので今後取り上げますが)「仕掛けを短時間で再構築しやすいこと」が理由でした。
さて。いかがでしょうか。「仕掛け」という禁断のトビラを開きましょう。
「ミャク釣り(管釣り仕様)」の仕掛けは「仕掛けの作り方 その1(結び)」からご覧ください。